2015/11/19-20 第37回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム開催
平成27年11月19日(木)、20日(金)の両日に熊本大学薬学部大江キャンパスにて「第37回生体膜と薬物の相互作用シンポジウム」を164名の参加者のもと開催し、無事に終了いたしました。特別講演、2つのミニシンポジウムならびに一般口頭講演あわせて50題、ポスター発表27題が発表されました。非常に活発な討議がなされ、活気あるシンポジウムとなりました。 特別講演として、熊本大学発生医学研究所の西中村隆一先生に「試験管内で腎臓を創る」と題して、ヒトiPS細胞からネフロンの基本構造を持つ腎臓を創り出す最新の成果についてご講演いただきました (写真)。最新の再生医学および発生学をとても分かり易く講演していただくとともに、従来の当たり前と考えられていたメカニズムを覆しながら新しいメカニズムを構築している研究への姿勢は、すべての参加者にとって極めて印象深く、かつ有用な講演となりました。また、本特別講演は授業の一環として学部生も聴講し、教育の一環としても活用しました。 また、ミニシンポジウムは注目が集まっている脂質とDDSに焦点を当て「生体膜から産生される生理活性脂質の最前線;創薬への考察」および「生体膜と微小環境情報に基づく次世代DDSを用いた治療戦略の構築」と題する2つのミニシンポジウムを開催し、合計9名の先生方からそれぞれの分野での最新の研究成果をご講演いただきました。 本年度の一般講演は、従来通りの口頭発表に加えて、より密に討論できるようポスター発表も設けました。口頭発表会場で活発な討議がなされていたことはもちろんですが、ポスター発表会場においても演者による説明の時間帯が過ぎるまで熱心な討論が続いておりました。また、口頭発表を対象として、厳正な審査のもと、4名の学生に優秀発表賞を授与しました。ポスター発表形式を設けたことは広範な学生が本シンポジウムで発表する機会の提供に繋がり、本会の薬学生に対する教育的な役割も強化することができました。 19日夜には、77名の参加者のもと懇親会が開催されました。参加者が親睦を深めるとともに、講演時間内にできなかった多くの討論がなされておりました。 本シンポジウムは、多くの参加者から賛辞をいただき、十分に目的を達成できたと考えます。本シンポジウム全体を通し、様々な分野の研究者が一堂に会して活発に討議できる場を提供できたことは、薬学研究のさらなる発展に大きく寄与していくものと確信しております。