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活動報告

主催講演会

熊本大学拠点形成研究A主催 平成28年度第2回講演会

国立がん研究センター研究所創薬臨床研究分野分野長
本田 一文先生
「早期診断バイオマーカー開発から実用化への道筋、-開発には何が求められるのか? 研究者の悩み-」
日時:2016年6月24日(金)18:30-20:00
場所:熊本大学薬学部 宮本記念館コンベンションホール

一言でバイオマーカーと言っても、使用目的、必要性は多種多様です。バイオマーカーは、患者様にベネフィットをもたらすことで、始めて実用化できたといえるでしょう。実用化には様々なことをクリアしなければいけません。開発を進めるにあたり、「そのバイオマーカーは、アンメットメディカルニーズを満たすことができるのか?」が重要な命題です。ニーズに即した仮説を設定し臨床性能を証明することで、バイオマーカーは実用化されていきます。本田先生は早期がん診断やがん検診に利用できる血液バイオマーカーを中心に、その開発と実用化を目指して研究を行ってきています。本田先生の経験と苦労話を交えながら早期がん診断のバイオマーカー開発についてご講演いただきました。

国立がん研究センター研究所創薬臨床研究分野分野長 本田 一文先生

熊本大学拠点形成研究A主催 平成28年度第1回講演会

九州大学大学院理学研究院生物科学部門 広津崇亮先生
「線虫の嗅覚を利用した尿1滴でのがん診断」
日時:2016年5月27日(金)17:00-18:30
場所:熊本大学薬学部 宮本記念館コンベンションホール

がんによる死亡を防ぐ最も有効な手段は、早期発見です。しかし、我が国での受診率は低く、有効な検査のないがん種もあります。そこで広津先生は、線虫の嗅覚を利用した簡便で安価、高精度ながんマルチスクリーニング技術の開発を行っていらっしゃいます。線虫によるがん検査は、早期がんでも高感度に検出できる点が大きな特徴です。さらに広津先生は匂いと受容体の対応関係を明らかにする基礎研究を以前より行っており、それを利用したがん種を同定するシステムの研究についても紹介していただきました。

九州大学大学院理学研究院生物科学部門 広津崇亮先生

熊本大学拠点形成研究A主催 平成27年度第5回講演会

「日本発バイオ3Dプリンティング技術による新たな産業創出への挑戦」
株式会社サイフューズ
代表取締役社長
口石 幸治 先生
日時:2016年1月26日(火) 17:00-18:30
場所:熊本大学薬学部 多目的ホール

株式会社サイフューズは2010年に九州大学発の技術を導入して創業した再生医療ベンチャーです。これまでに、バイオマテリアルを用いることなく細胞を立体的な臓器・組織に加工する基盤技術を大学との共同研究を通じて確立しました。既に様々な細胞種で当技術の応用が可能であることを確認し、再生医療用および創薬支援用に利用可能な、機能性を持った立体組織の研究開発に取り組んでいます。本講演では、基盤技術の紹介および組織アプリケーションの事例紹介を行うとともに、創業からこれまでの歩みと今後の事業戦略について紹介していただきました。

株式会社サイフューズ 代表取締役社長 口石 幸治 先生

熊本大学拠点形成研究A主催 平成27年度第4回講演会

「遺伝性神経難病の治療を目指して」
自治医科大学 小児科学講座 教授
小坂 仁 博士
日時:2015年10月30日(金) 18:00-19:00
場所:熊本大学医学部図書館棟4階 第3講義室

<講演要旨>
小児期神経疾患は、多くの遺伝性難病からなります。前半では、小坂先生が最初の患者さんに出会って以降、20年以上携わってきている白質形成不全症を例に取り、診断の変遷を振り返り、今後どのような治療戦略があるかを一緒に考えたいと思います。またその治療戦略の一環として、現在自治医科大学ではアミノ酸脱炭酸酵素欠損症; Aromatic L-amino acid decarboxylase (AADC)欠損症に対するアデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus:AAV)による、遺伝子治療臨床研究を開始しました。この治療法は、種々の遺伝性神経難病の治療を大きく変える可能性があります。これらの内容が、治療研究を志す若き研究者への励ましとなることを希望しております。本講演会では、小坂先生の最新の研究成果を紹介していただきました。

自治医科大学 小児科学講座 教授 小坂 仁 博士

熊本大学拠点形成研究A主催 平成27年度第3回講演会

真のプロテオミクスに向けた相間移動溶解法の開発と応用
増田豪先生(University of Washington)

<講演要旨>
質量分析計の高性能化に伴い、同定・定量されるペプチドの数が飛躍的に増加しました。一方、試料調製においてタンパク質抽出が不完全であった場合、例え最新の質量分析計を駆使しても存在しないペプチドは検出されることはありません。また、消化が不完全だとタンパク質の定量値を低く見積もってしまいます。増田先生は、新しいショットガンプロテオミクスの試料調製法として相間移動溶解法を開発しました。本方法はタンパク質の高い可溶化能と消化酵素の活性促進効果を合わせ持ち、それまで困難だった膜プロテオーム解析を劇的に改善しました。本発表では、開発に至った経緯と実用性ともに、相間移動溶解法を基盤とした超高感度分析法および細胞分画法についても紹介していただきました。

増田豪先生

熊本大学拠点形成研究A主催 平成27年度第1・2回講演会

質量分析用超臨界流体抽出分離装置の開発とメタボローム解析への応用
馬場 健史 博士
九州大学 生体防御医学研究所附属トランスオミクス医学研究センター
メタボロミクス分野・教授

馬場 健史 博士

メタボロミクスを用いた次世代医療システムの開発
吉田 優 博士
神戸大学大学院医学研究科
病因病態解析学分野長・准教授

吉田 優 博士

熊本大学拠点形成研究A主催 平成26年度第4回講演会

熊本大学拠点形成研究A主催 平成26年度第4回講演会
大学発バイオベンチャーの設立の留意点とアントレプレナー精神の醸成
ディ・スリー研究所
代表取締役所長 堀江 透 博士

大学発バイオベンチャーは大学が保有する技術・アイデアを基盤事業として設立ものであるからそこにマーケットがあるから起業化するわけではありません。まずは技術ありき、アイデアありき、から出発するので、市場ニーズに基づいた企業化ではないことを念頭におかなければなりません。それ故、市場創造型ビジネスを展開することが重要であり、ビジネスモデル が大きな課題となります。本講演会では、堀江先生に大学発バイオベンチャーの設立およびその精神について講演していただきました。

堀江 透 博士

熊本大学拠点形成研究A主催 平成26年度第3回講演会

熊本大学拠点形成研究A主催 平成26年度第3回講演会
「CNSBarriers and Neuroimmune Interactions」
フランスCochin研究所 所長
Dr.Pierre Olivier Couraud

<講演要旨>
ヒトの脳は血液脳関門によって守られています。その解剖学的実態は脳毛細血管内皮細胞ですが、関門としての働きは血流や周辺細胞、脳の病態などにより大きく影響されます。血液脳関門の機能を明らかにすることは、中枢疾患治療薬や治療方法の開発のみならず脳の高次機能を解き明かす上で重要な課題です。  Couraud博士は、血液脳関門に関する多くの研究成果を発表されています。特に、世界で初めてヒトの脳毛細血管内皮細胞の不死化細胞株を樹立され、その細胞は世界中の製薬企業、医学・薬学の研究者および臨床家から注目を集めています。今回、炎症時における血液脳関門の変動に関する話題を中心に最新の研究成果をご紹介していただきました。

Dr.Pierre Olivier Couraud

熊本大学拠点形成研究A主催 平成26年度第2回講演会

熊本大学拠点形成研究A主催 平成26年度第2回講演会
「がん早期発見・個別化医療のためのバイオマーカー開発と実用化」
国立がん研究センター研究所
創薬臨床研究分野 ユニット長
本田 一文 博士

<講演要旨>
がんは多彩な疾患で、同一臓器、同一進行病期であっても、個々の症例によって臨床経過は大きく異なります。がんの個性に立脚した最適な治療戦略の選択が、治療の成否に深くかかわります。がん治療の標準化が進められ、治療戦略の決定にコンパニオン診断の利用を推奨するガイドラインも増えてきました。本田先生は、がんの個別化医療と早期発見のバイオマーカー開発と実用化を目的に、臨床検体を使ったオミクス解析にこだわり研究を続けています。本講演会では、本田先生の最新の研究成果を紹介していただきました。

本田 一文 博士

微生物薬学セミナー

熊本大学拠点形成研究B主催特別講演会
「定量的プロテオミクス技術を用いた血液脳関門におけるABCトランスポーターのin vivo輸送機能の再構築について」
東北大学大学院薬学研究科
薬物送達学分野 助教
内田 康雄 博士

<講演要旨>
薬物の脳移行性を制御する血液脳関門のトランスポーターについて、ヒトin vivoの輸送機能を理解することは中枢疾患治療薬の開発において重要な課題です。本御講演では、内田博士らが開発されたin vivoのABCトランスポー ターの輸送機能をin vitro実験系から再構築する手法を中心に、トランスポーター研究におけるLC-MS/MSの有用性を実例とともにご紹介して頂きました。
微生物薬学セミナー1

微生物薬学セミナー
特別講演会 血液脳関門におけるP-glycoproteinの一分子あたりの輸送機能変動の制御機構の解明
:最新のリン酸化プロテオミクス技術による新たな研究戦略
東北大学大学院薬学研究科
薬物送達学分野 修士2年生 星 裕太朗

<講演要旨>
病態時の血液脳関門では、リン酸化調節機構を介して、短時間でP-glycoprotein (P-gp/MDR1/mdr1a)の輸送機能が自身のタンパク質発現量の変動無しに変化します(単分子輸送活性の変動)。本御講演では、網羅性と定量性に優れた最新のリン酸化プロテオミクス技術を活かした、病態変動機構の解明のための新たなアプローチ方法についてご紹介いただきました。
微生物薬学セミナー2